地球星人(新潮社) [ 村田沙耶香 ]
とんでもない作品です。
村田さん著の「コンビニ人間」を読んで、
社会に上手く馴染めない人の書き方に惹かれ、
2作目です。
今回も、社会に馴染めない3人が自分たちなりに生き延びていくお話です。
私も会社の人間関係に嫌で無職になり、
周りから結婚は?などとお節介をやかれる毎日に嫌気がさしてしましたので、
最後の30ページ以外は心にすごく刺さりました。
以下、ネタバレとなります。
奈月がポハピピンポボピカ星人として行動を起こした時、社会に連れ戻すのはいつも姉である。
正直、幼少期に家庭内で甘やかされていた姉、大人になって社会に馴染めるようになった姉、に嫌悪感を抱いてしまった。
特に子供、旦那がいながらパート先で、奔放な性生活をしている。
姉を通して、
社会、工場に馴染むというのは
良くない存在になる事と同義に感じた。
また、奈月は子供の時に大人達を見て
生きているのではなく、生き延びていると感じている。
「いつか生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか?」
私は今、自分が生き延びているだけのように
感じている。
この小説を読むまで、何となくの違和感しか無かった物が
ハッキリとしてしまった。
これからどうすべきか、と打ちひしがれている。
この小説を読んで思ったのが、
日常生きていて「この人、奇妙な人だな?」なんて
自分を差し置いて思うことがある。
それぞれ、社会の常識と呼ばれるものに疑問を抱きながら、何とか生き延びているのかもしれない。
常識に囚われて他者を裁くような人にはならないでおこうと思う。
この小説から受けた衝撃が強くて、
もっともっと書きたいこと、感じたことがあるのですが、
文章がまとまりませんでした。
是非、読んで欲しい1冊です。
大好きな言葉、1部抜粋です。
「1つはお勉強を頑張って働く道具になること、1つは女の子を頑張ってこの街のための生殖器になること。私は多分どちらの意味でもおちこぼれなのだと思う」
「大人は自分が生きるので精一杯だから、子供なんか助けてくれないよ。いつか生き延びなくても生きていられるようになるの?」
「女として優等生であり続ける静ちゃんが眩しく、また大変そうでもあった。」
「本当に怖いのは世界に喋らされている言葉を自分のことだと思ってしまうことだ」
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