死にたくなったら電話して(河出書房新社) [ 李龍徳 ]
文藝賞選考委員驚愕!
という触れ込みで、気になったので読んでみました。
自己主張のあまりない浪人生が出会ったキャバ嬢の厭世的な思考に引っ張られ、社会から隔絶され、破滅?へと向かうお話です。
(私は破滅というより人生の終着点へ向かうという印象でした)
今、私は無職で、前の職場の人との付き合いも避けたいな、と思っており、
中学からの友達からの連絡も面倒だなと思っていました。
私の彼氏もあまり友達はいなさそうで、二人でいる時間が緩やかに過ぎていのが好きで、この先も2人で、1年に1回くらいは友達と会う、位の社会と余り関わらない生き方も悪くないと思っていました。
(こんな考えを口に出すことは許されません💦)
そんな時にこの「死にたくなったら電話して」に出会ってしまいました。
今のまんまではいけない、という切迫感を与えてくれると共に、社会に対して余計に嫌悪感を抱かせる恐ろしい本です。
以下、ネタバレとなります。
初美は型にはまるのが嫌だと言っていました。
大阪も嫌いと言っていました。
ネットワークビジネスをやってる悠木やバイト先の日浦をやり込めるのは
=下に見る人たちを攻撃するにも感じ、
大阪人のよくやる極端な弄りにも似たようなものを感じます。
また、最後に徳山が結婚の話をした時に
在日ってことを理由に結婚は出来ないというのも型にはまりきってるなと思いました。
(初美は親が反対と言ってましたが、、、どうでしょう?)
身近で嫌悪感を感じているものから離れようとはするけど、どっぷりハマってしまっている矛盾が悲しいですね。
あくまで私の感想ですが、
徳山も初美も共にお金持ちの家庭で、自分というものがなくて、生に対する執着もない。
初美は初めて会った時にそこに気づいたからこそ、大笑いしたんでしょう。
気になった言葉、1部抜粋です。
「俺たちレベルの人間は同じ苦痛と同じ退屈のくりかえし。それで寿命の来るのを長く長く待つだけや。」
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